2023年アナスタシア キャスト感想ノート
2023年アナスタシア再演、本当にありがとうございます!そして、東京公演完走おめでとうございます!!
2020年多くの手持ちチケットが消えてしまったアナスタシア。今回は他の舞台と被りにかぶってなかなか予定が開けられず、開幕の日にはどうしても見たかった海宝ディマ回とディミよし×海宝グレブ回の2公演しか持っていませんでしたが、どうにかディミよし初日とばちディマ回を追加して4公演行ってきました。プリンシパルキャストの皆様だと、マルシアさんのリリー以外は見ることができました・・・。2020年もマルシアさん見逃しており、なかなか巡り合えなかったな・・・
初演からほぼ内容変更なし、少しだけ歌詞が違うところもあったけれど、2020年に初めて見たときの感動は本当に変わらず。毎回新しい発見とともに涙していました。
全体の感想ではなく、2023年アナスタシアの備忘録的に、拝見したキャストごとでの感想をまとめておきたいと思います。まだ大阪終わってないけど、再演してくれ~~~!
以下敬称略です!
アーニャ
木下晴香(はるーニャ)
圧倒的実力!2020年よりも地声っぽい、低めの声。モーツァルト!のコンスタンツェを思わせます。(よく考えたら、再演までの期間にコンスタンツェシングルキャストでやってたんだな・・・)強くて賢い。プリンセスみが強めで、クールさがよりある印象。今回はディミよしとのペアしか見れていないのだけれど、この二人は対等感があり、補い合う二人の印象。日本一あのブルードレスが似合う。
葵わかな(わかーニャ)
じゃじゃ馬!豪胆!コメディエンヌみが強い!キュートだけど強気で、この勢いでロシアの半分を歩いてきたんだな、という感じ。アグレッシブさがよりある印象。ばちディマとのペアは宝塚版を思わせる少女漫画感が増して、海宝ディマとのペアだとより海宝ディマのヒーローみが増す。ディマの足を蹴ったあとにごまかす顔がかわいすぎる、そんなの許しちゃうよ!
ディミトリ
海宝直人(海宝ディマ)
3年越しに見れた~!!正統派ヒーローという感じのディマ。何よりもこの役を海宝先生がやっているということがありがたすぎて拝んでしまった。My Petersburgは圧巻。この曲を全力で受け止めようとする会場の空気感も相まって、最高のシーンになっている、劇場でしか味わえない瞬間が最高。2023年1番拍手をもらった曲だと思う・・・あと、In a crowd of thousandsのパツパツタンクトップでn2nのグレブを思い出すなどしました。タキシードが似合いすぎてブルジョワを隠し切れない・・・!
相葉裕樹(ばちディマ)
やっぱり宝塚ver.のディマができるのはばちディマだと思う。本当に王子様、スマートでかっこいいディマ。どこに行ってもあなたは王子様よ・・・ばちディマは見てて行動にイライラしないというか、なんでも許されちゃう感じ。「あんたがハンサムじゃなかったらチクってるんだからね!!」を、どこかしこでもやってそう。個人的には、私自身オーブの音響と時々耳の相性が悪くなるため、ばっちの歌詞が聞き取りやすくてとても助かる。
内海啓貴(ディミよし)
私の本命ディマ。ロシアのネズミでアーニャの王子様・・・!この役を「生きた人間」としてリアルにやっているという意味ではディミよしが一番しっくりくる。下層からどうにか生き抜いてきた、一人で育ってきたというバックボーンがリアルな、少し険しい目線の使い方、やんちゃな仕草、そして癖のある歌声。昨今、貴族っぽい若手役者が多い中、あのきれいな顔で平民感をバチバチに出せるのは魅力だな・・・2020年にこの作品でグランドミュージカルデビューして、ここからきっと大躍進して行くんだな!と思っていたけれど、3年半で本当にたくさんの作品に出演して実力をつけて、ここに戻ってきてくれたのが、本当に嬉しい。My Peterburgも勿論だけど、Everything to Winがすごく良かった。ねぇ啓貴やっぱりロナンやらない?「ロナンマズリエ、平民だ」って言ってほしいんだが・・・
グレブ
堂珍嘉邦
この人、絶対いい人。ユーモアはないけど・・・まじめで、アーニャに「人として」好感を持っていて、守りたい、友人でありたいという感情があるのが、私はとても好き。仕事(革命)と友愛・親愛に揺れているのがバランスよくて、一番安心して見れるタイプのグレブ。とてもニュートラルに感情移入しやすいので、初見さんにお勧めしたいグレブ。
田代万里生
バケモノ?!声量でオーブ壊れない!?狂信的で妄信的、めちゃくちゃ怖い。彼の中でアーニャという存在は「人」ではなくて概念的になってしまっているのではないかと思ってしまう。最後にアーニャと対峙して、人として生きていることを目にしてやっと自分の狂信に気づいたのではなかろうか・・・なんとなく、まりおさんは何かの存在の概念に囚われて生きている役が映えるなと思います。フランツしかり、「私」しかり、ラドゥーしかり。
海宝直人
ディマとの2役すごすぎ。「恋」してしまったグレブ。宝塚のグレブに近いイメージでした。場所と時代が違えばマリウスとコゼットのような運命の出会いになっていたかもしれないと思わせるグレブとアーニャの出会い方・・・2020年から見てきた中で一番アーニャを愛してしまったんだなと思わせるグレブでした。はるーニャ×ディミよし×海宝グレブ回が個人的には一番「冒険」「革命」「恋愛」のバランスがかみ合って好きだったな。ユーモアのくだりで一番ギャップあるタイプのユーモアを繰り出してた。
ヴラド
大澄賢也
大澄ヴラドめちゃくちゃクリスチャン(ムーラン・ルージュ!)じゃないですか?!チャーミングで自信家、身分違いの恋でも、何も怖くない!といった様子が、6月から8月までがっつり甲斐クリスチャンを浴びてた私には刺さってしまいました・・・2020年はそんなこと思わなかったのでこれは絶対クリスチャンのせい。堀内リリーとの身長差とダンスのかみ合い方が最高に好きでした。2023年のダークホースでした。正直に言います、メロった。
石川禅
面白優しおじちゃん!やっぱり禅さんの優しいおじちゃん役が好きです。前に見たのがダーウィンヤングだったので、ヴラドの安心感ったら・・・!ダンス頑張ってるのが愛おしい。コメディ仕草やせりふ回し、間の使い方がさすがで、これぞ達人技、と思わされることもしばしば。リリーを口説くとき大澄ヴラドよりちょっと照れ屋なのがかわいい。
リリー
堀内敬子
コケティッシュでコメディエンヌ!歌とダンスのバランスが本当に絶妙。可愛らしくて、色っぽいのに、面白い、ずるい!皇太后陛下の前にいるときの貴族らしい声色使いから、「夜、一日が終わるのって最高ね!!」(セリフうろ覚え)の少しダミ声っぽい使い方まで幅広くって、こう、女優力(ぢから)を感じました。このリリー、全盛期はヴラド以外にも愛人がいたけど、ヴラドだけ特別になっちゃったみたいなイメージでした。個人的にはMyベストリリーです。大好き!
朝海ひかる
堀内リリーとしか比較できないんだけど、より貴族然としたリリーというイメージ。凛として美しく、理想的な伯爵夫人だったんじゃないかなと。きっとヴラドと出会ってしまって恋に落ちたのは思いもよらぬことで、自分と生きる場所が違いすぎる彼に惹かれた、みたいな感じなのでは、と思いました。「強くなったんだね」とヴラドに言われるシーンがあるけど、きっとロシア時代からパリに出てきて変わらざるを得なかったんだな・・・というのがわかるリリーという印象でした。
マリア皇太后
麻実れい
この方のラストシーンの演じ方がもう・・・すばらしいんですよ・・・思い出すだけで泣いてしまう。人生の重さ、酸いも甘いも経験した皇太后の姿がハマって、「いつが最後のさよならになるか、私たちにはわからないの」「遅すぎたの、来るのが遅すぎたわ」「今度は自分を幸せにしてあげる番よ、アーニャ」1つ1つのセリフに感動を詰め込んでくれる・・・お歌はなかなか厳しいところがあるように感じたけれど、存在感や言葉の説得力はこの方にしか出せないのだろうなと思う。ミュージカルは本当に久しぶりだったとお聞きしましたが、アナスタシアに出てくれて本当にありがとうございます・・・
以上拝見したプリンシパルキャストの感想でした。
本当にアナスタシアは最高なので、見てない人は絶対に見てほしいです。絶対再演するので。ね!!梅芸さん!!!
再演まで待てない人は宝塚版の円盤かアニメ版を見るという手がありますので、再演までどうにか食いつなぎましょう。笑
それでは、2023年アナスタシア、大千穐楽まで無事に走り切れますように!!!